はじめに
近年多くの業界で受入が進んでいる外国人材。令和2年10月末時点で、現在日本で働いている外国人材の数は172万人以上にものぼり、今や日本経済にとって外国人材は無くてはならない存在となっている。また172万人の外国人材の中で最も多いのがベトナム人材である。令和2年10月末時点で、日本で働いているベトナム人は、全体の約26%にあたる44万人である。これは昨年から比較して10%以上増加しており、今最も注目されている外国人材である。今回のレポートでは、ベトナム人材を採用するメリット、および採用する際に注意すべきポイントを解説していきたい。
ベトナム人材を採用するメリット
人材不足の解消、特に若い人材を確保できる
少子高齢化が進む日本では、各分野で人材不足、特に若い人材の確保が難しくなっており、社内の従業員の平均年齢が50歳以上という企業も少なくない。企業が継続的に成長していくためには、後を担う若い人材の確保が不可欠である。
一方でベトナムでは多くの若く、優秀な人材が日本での就労を希望している。そうした人材を受け入れることで、人材不足を解消するだけでなく、若くて元気な人材を確保することが可能となる。
ベトナムとの新たなビジネスが生まれる可能性
ベトナム人材を受け入れることで、ベトナム語対応が可能になることはもちろん、ベトナム人材が持つ現地のネットワークも活用できるようになる。ベトナムは「日本企業が進出したい国ランキング」1位となるほど注目を集めている国である。ベトナム人材の確保は労働力の確保だけでなく、ベトナムに関連した新たなビジネスが生まれるきっかけともなる。
ベトナム人材を受け入れる際のハードル
ベトナム人材の受入にはメリットがある一方で、解決しなくてはならないいくつかのハードルもある。
言語の壁によるコミュニケーションの問題
ベトナム人材に限らず外国人材を受け入れる際に最も大きな課題となるのは、言語の壁である。多くの外国人材は日本で働くために一生懸命に日本語を勉強しているため、日常会話だけでなくビジネスレベルの日本語能力を身に付けている外国人材も多い。とはいえ、やはり母国語ではないため、日本人と会話をする際に、コミュニケーションのすれ違いが起きてしまうケースも多々ある。
文化の違いによって起こるトラブル
生まれた国や地域が違えば、その人材が抱える価値観が異なるのは当然のことである。しかしビジネスの場面ではその価値観の違いが、大きなトラブルを生む可能性もある。例を挙げると、ベトナム人材は主に「規則」や「ルール」を非常に重視する。一方で日本企業では「規則」や「ルール」はあるものの、必ずしも100%そうした規定に従うわけではなく臨機応変に対応する必要があったり、規則には書いていない「暗黙の了解」があったりする。この2つの考え方の違いによって、ベトナム人材と日本人との間でトラブルが起きる例も多い。
在留資格に関する手続きが複雑
外国人を受け入れるためには、出入国管理局(略称:入管)に対して手続きを行う必要がある。これは受入時だけでなく、受け入れた後の報告や、在留資格の更新手続きなど、受入後にも頻繁に手続きが発生する。こうした手続きに慣れていない会社では、手続きのかかる労力コストが大きくなる可能性がある。
ベトナム人材を円滑に受け入れるためのポイント
上記で紹介してきたハードルを解決するためには、どのようなポイントに留意することが必要だろうか。
重要な事項は書面で説明
一般的に日本語を「聞くこと」は「読むこと」に比べて難しい。何か重要なお知らせを口頭のみでベトナム人材に伝えてしまうと、正確に理解することが難しい場合がある。そのため、特に正確な理解が求められる事項については口頭で伝えると共に、しっかり文書で提示する必要がある。文書であればベトナム人はわからない言葉を自分で調べたり、後から日本人に質問したりすることができる。
「郷に入っては郷に従え」をベトナム人材に徹底させる
文化の違いによってトラブルが起きた場合、「価値観の違いだから」と言ってその場しのぎの解決に止まってしまい、根本的な「価値観の擦り合わせ」を放置してしまうケースが多い。しかしそれでは、また新たなトラブルがおきるまでの時間稼ぎにしかならない。ベトナム人材には「日本企業で求められる価値観・考え方」をしっかり理解してもらい、徹底してもらう必要がある。
先の「ベトナム人がルール・規則を最重視し、日本人が臨機応変な対応や暗黙の了解を重視する」という例でも、「今あなたが働いているのは日本の会社であり、日本の会社では必ずしもルール・規則は最優先されるものではない」ということをベトナム人材にしっかりと伝える必要がある。
とはいえ、企業側でもベトナム人の考え方に寄り添い、出来る限り「暗黙の了解」である事項を明文化したりなどの努力が必要である。
在留資格に関する手続きはプロに依頼を
入管との手続きでは、「この書類はこのように書くべき」という一定のルールが存在する。しかし通常の企業がそれらのルールに沿って手続きを行うことは難しい。幸いにも日本にはベトナム人材の受入・手続きを専門に行っている専門企業・プロが存在する。費用についても、企業が負うことになる労力コストに比べれば小さいものであるため、複雑な手続きは思い切ってプロに依頼することをお勧めする。
最後に
本記事では、ベトナム人材を受け入れるメリットと、受け入れる際に留意すべきポイントについて解説してきた。今回の記事で紹介した内容はポイントの一部であり、業種・人材の性格・会社の雰囲気等によって臨機応変な対応が求められる。とはいえ、ベトナム人材は多くの企業で「真面目・一生懸命・優秀」という高い評価を受けている。ぜひまだ受入の経験がない企業には、新たな人材確保の選択肢としてベトナム人材の採用を検討していただきたい。
ベトナム人材採用の成功のコツ
日本で働く外国人材の中で最も多いのはベトナム人材です。働き手の確保やベトナム進出の幹部人材を採用したいと考えていても、制度が複雑であったり、求職者が思うように集まらずに課題を感じている企業も少なくありません。
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