はじめに
本レポートでは、現在進行中の実際のM&A案件を紹介していく。今回は、日本企業の出資を求める、「バーチャル株主総会運営サービス」を展開するベトナム企業を紹介していく。
(2022年9月9日公開)
案件の概要
本案件の売主側(セルサイド)の会社概要は、以下の通りである。(以後、売主側を「X社」と呼ぶ)
事業開始 | 2019~ |
資本金 | 34.56 Bill VND (約1.5 Mill USD) (3,456,000 株式) |
サービス内容 | バーチャル株主総会運営サービスその他関連する支援、ソリューションの提供 |
本社 | ハノイ |
従業員人数 | 約25名 |
売上 | バーチャル株主総会運営サービス 2021年:143,778 USD 2022年1月~7月:185,213 USD 事業発展:今後2年間で10%の上場企業の顧客を獲得 |
主要顧客 | 顧客数:40社以上のベトナム企業にサービスを提供。その中には、ベトナム全体のトップ100に入る大手企業・上場企業も含まれる |
株式売却希望割合 | 30%以上(交渉可能)株式売却希望の金額:30 Bil VND 以上(約1.5億円) |
X社が今回の株式売却で期待していることは、大きく4つある。1つ目はIPOである。同社は2022年末には、信頼できる海外パートナーと提携しIPOを実施することを目標としている。
2つ目は、日本のパートナーと提携し、日本の顧客へサービスを提供することである。
3つ目は、日本のパートナーと提携し、バーチャル株主総会に関するサービス・ソリューションを改善することである。
4つ目は、日本のパートナーと提携し、ベトナムで日本のIT商材を展開することである。
上記の4点から、X社は日本のIT企業を有望な買主として想定していると考えられる。
出資のメリット
本章では、本案件に出資するメリットを紹介する。大きく分けて、「ベトナム市場への参入」、「技術発展」の2つのメリットがある。
ベトナム市場への参入
X社と提携することで、ベトナムへ進出できる。M&Aは、効果的な海外進出方法の1つである。X社の提供するバーチャル株主総会サービスはもちろん、買主となる日本企業のIT商材もベトナムで展開可能になる。また、前述の通り、X社はベトナムの大手企業の顧客を抱えており、そういった企業にもアプローチが可能である。
ベトナムにおけるバーチャル株主総会運営サービス市場の年間成長率は約29%とされている。ベトナムでは大企業を中心にDXが推進されていることや、ベトナムには多額のFDI(外国直接投資)が集まっていることなど、市場が今後成長していく要因は複数ある。
技術発展
X社と提携することで、X社の優れた技術力、IT人材を活用することも可能である。日本向けの新商材の開発や、社内の人材育成など、多くのメリットが考えられる。
まとめ
今回は、2022年9月現在、買主を募集中のM&A案件を紹介しました。もし興味があり、詳細を希望される場合は、このVietbizを運営するONE-VALUE株式会社までお問合せください。
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