はじめに
本記事では、ベトナムビールの消費量や市場、今後の需要について紹介していきます。多くの人から「ベトナムのビールは薄い」「日本のビールの方が美味しい」と聞く方も多いのではないでしょうか?ベトナムで販売されている缶ビールには多くの種類があり、且つ安価で一般家庭では欠かせない飲み物とされています。近年、一般的な缶ビールよりも輸入ビールや品質にこだわったクラフトビールなどの需要も高まってきています。
ベトナムのビール需要とは?
ベトナムにおけるビールのニーズについて調査しました。
ベトナムでのビールの消費量は年々増加!
世界の中でも伸び率は高く、今後もビール市場の伸びが期待されています。2018年にキリンビールが公開した世界のビール消費量によると、ベトナムのビール消費量は世界で9位。東南アジア諸国ではトップの成績である。
前年度の2017年と比べてみると+7.1%と他の上位国と比べてもかなりの勢いで消費量が増えていることが読み取れます。
2008年から約10年間のベトナムビール消費量を比べると約2.5倍にも増えていることが読み取れます。
ベトナムでビールが多い理由
まず 1つ目はベトナムビールの安さがあります。スーパーやローカルのレストランに行くと水や牛乳よりも安いところがほとんどです。
2つ目は、習慣として培われていることがあります。
ベトナムではビールは特に安いため、大人数の飲み会でも、家庭でも頻繁に見かけられます。また、飲み会やパーティを開く場合、「お酒といえばビール」という考え方も一般的です。
さらに、注文する際は1テーブルに1ケースはベトナムではよくみられる光景です。ローカルレストランなどでは、缶ビールよりも瓶ビールのカートンで出てくることが多いです。
ビールビンの蓋を歯やスプーンで軽々と開けられるベトナム人を見ていると、飲み慣れていることが感じられます。
ベトナムでよく売れているビールとは?
ベトナムビールは、日本で通常飲まれている「キリンビール」や「サッポロビール」などと比べると薄いです。また、お店などでは大量にビールを仕入れるため、外に置いていることが多いです。そのため、飲むときにはグラスに氷をいれてビールを飲むのが主流です。氷を入れるとさらに薄まるため、「水のよう」と感じる方も多いでしょう。
ベトナムで販売されているビールの価格帯は日本の約半分くらいです。日本のビールの価格が1本100〜200円の場合、ベトナムでは1本50〜100円程の値段です。
また、ビール以外のお酒類(ワインやウイスキー)は輸入品が多いため、高値で販売されています。そのため、一般的に家庭で飲まれるお酒はやはりビールが好まれる傾向があり、消費量も増加傾向が続くと考えられています。
実際ベトナムでよく飲まれているビールにはどんな種類があるのでしょうか。 少し紹介していきます。
バーバーバー(333)
⦁ 価格:約6千ドン(約28円)
⦁ アルコール度数:5.3%
⦁ 内容量:330ml /缶
ビアサイゴン(BIA SAIGON)
⦁ 価格:約1万2千ドン(約56円)
⦁ アルコール度数:4%
⦁ 内容量:330 ml /缶
ビアハノイ(BIA HANOI)
⦁ 価格:約9千2百ドン(約43円)
⦁ アルコール度数:4%
⦁ 内容量:330 ml /缶
ビア・ラルー(BIA LARUE)
⦁ 価格:約 1万4百ドン(約49円)
⦁ アルコール度数: 3.6%
⦁ 内容量:330 ml /缶
ハイネケン(Heineken)
⦁ 価格:約1万6千ドン(約75円)
⦁ アルコール度数:5%
⦁ 内容量:350 ml /缶
タイガービール(Tiger Beer)
⦁ 価格:約1万6千ドン(約75円)
⦁ アルコール度数:5%
⦁ 内容量:350ml /缶
フーダビール(huda beer)
⦁ 価格:約1万4千ドン(約66円)
⦁ アルコール度数:4.7%
⦁ 内容量:350ml /缶
空前のクラフトビールブーム!?怒涛のトレンド紹介‼
ベトナムでのクラフトビール熱は年々人気を増しています。
インバウンドのクラフトビール市場は2015年頃から広がり、現在は多くのクラフトビール店が軒を連ねています。近年の発展により、ビール好きのベトナム人中間層やベトナム在住外国人からの需要が高く、まさにベトナムビールのブームが到来しつつあります。さらに、今後はより品質の高いクラフトビールの人気が高まると見込まれています。
ベトナムのクラフトビールを語る上で欠かせないビールブランド5つ紹介します。
Bia Craft
「Bia Craft」はホーチミンに4店舗ある種類の豊富さが売りのクラフトビールブランドです。
ビールの種類は、約150種類以上あります。
ベトナム国内で初めて生産されたクラフトビール 「ドゥンチョックタオペールエール(Đứng Chọc Tao Pale Ale)」の生みの親、さらにはクラフトビール人気の火をつけた中心であるこのお店はベトナムクラフトビール界を語る上では欠かせないお店の一つです。
店内では、クラフトビールのみならず、ビールに合ったおつまみや食事を嗜むことができます。
ホームページ:https://biacraft.com/age-gate
East West Brewing
ヨーロッパとアメリカの伝統的な手法と東洋の文化を融合させたビールが人気の「EAST WEST」。製造は20年以上の経験があるアメリカ人のベテラン職人が手がけており、香り豊かで日本人のファンも多いです。2017年にホーチミンにオープンし、こだわりのある高品質なビールは新たなビールを求めている人に人気が高いクラフトビールブランドです。
定番ビール8つの種類があり、飲み比べて自分好みの味を見つけるのも一つの楽しみかもしれません。
ホームページ:https://eastwestbrewing.vn/east-west-brewing/
Heart of darkness
「Heart of darkness」はホーチミン発祥のクラフトビールブランドです。ベトナム国内では150以上のレストランやバーと契約をしており、現地でも名高いクラフトビール店の一つです。
そんな「Heart of darkness」 は最高経営責任者(CEO)が日本に訪れた際、日本のクラフトビール「KAGUA」とコラボ商品を出したこともあり、従来のビールに捉われない特別なビールを売りにしています。2019年にはシンガポールにも店舗を広げ、ベトナムから他のアジア諸国へのクラフトビール人気を広めようとしています。
ホームページ:https://heartofdarknessbrewery.com/
Fuzzy Logic Brewing Co.
2014年からクラフトビールを製造している「Fuzzy Logic」は猿マークが目に留まるクラフトビールブランドです。レストランなどはやっていないため、ベトナムのさまざまなスーパーやレストランに商品を卸しています。現在はホーチミンとハイフォンのお店でも購入することができます。
フェイスブックページ:Fuzzy Logic Brewing Co.
Roosterbeers
黄色に赤字の鶏マークが目に留まる「Roosterbeers」。アメリカの国際的ホップサプライヤー「Yakima Chief Hops (YCH)」がベトナムで自社工場を持ち展開しているクラフトビールブランドです。原料、製法にこだわり抜かれた全6種類あるビールは一度飲むと忘れられないというファンも多いそうです。
ホームページ:http://roosterbeers.com/
大予想!ベトナムでの高級おつまみが流行する!?
ビールなどのお酒を飲む時に欠かせないのが、「おつまみ」ですが、現在日本ではビールなどのお酒とともに味わう高級缶詰やチーズやお肉の燻製などの「高級おつまみ」が人気を上がってきています。そして、今後ベトナムに中間層や外国人が増えることにより、お酒に合う「高級おつまみ」の需要が高まってくるかもしれません。
近頃、ベトナムには日本食レストランが増え、ベトナムの人々はサーモンなどの日本の水産物との距離が近づいてきています。
現在日本では、色々な水産物を高い技術で加工して販売されているおつまみはとても人気が高いです。特にコロナ禍の影響により増加している「家飲み」に欠かせない「おつまみ」の需要はさらに増加傾向にあります。多くの「おつまみ」が水産加工物で、少々高値でも、晩酌の質が上がると手に取る方が多いです。
さらに、ナッツ類なども、ローカルの商品ではない日本品質で差をつけたり、ベトナム人にあった味付けをしたりすることでビジネスになり得ると考えられます。さらに、「高級おつまみ」を気軽に注文できるECサイトなどの需要も高まるかもしれません。
まとめ
今回はベトナムのビール事情について紹介しました。
本記事を読んで少しでも涎が垂れた方やお家でいつも日本のビールを飲む方はこれを機にベトナムビールに挑戦してみてください。きっと酔った頃にはベトナムに着陸している事でしょう。
また、いつも現地で飲んでいる方は違う銘柄にしてみてもいいかもしれません。
おっと、おつまみの準備も忘れないように。
ベトナム市場の情報収集を支援します
ベトナム市場での情報収集にお困りの方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。
VietBizは日本企業の海外事業・ベトナム事業担当者向けに市場調査、現地パートナー探索、ビジネスマッチング、販路開拓、M&A・合弁支援サービスを提供しています。
ベトナム特化の経営コンサルティング会社、ONE-VALUE株式会社はベトナム事業に関するご相談を随時無料でこちらから受け付けております。