カマウ省の特徴
本レポートでは、ベトナムのカマウ省の概要を網羅的に解説する。
地理
カマウ省は、メコンデルタ地方最南端に位置し沿岸線を有する。 カマウ省の全域がカマウ半島に属する。省都カマウ市はホーチミン市から南西に約380キロ、カントー市から西南に180キロに位置する。
カマウ省の沿岸線の全長は約 254キロである。そのうち、東海沿岸が 107 キロ、西海沿岸が 147キロである。同省の沿岸は、タイ、マレーシア、インドネシアなどの海域に接しており、東南アジアの航海の中心となっている。
カマウの土地のほとんどは沖積で、長年にわたって蓄積され、非常に肥沃で、水産養殖、稲作、マングローブの植栽に適している。 カマウは16万ヘクタールの森林を所有しており、主にメラレウカとマングローブで形成されている。ユネスコにより世界生物圏保護区としてエコツーリズム開発の可能性を期待されている。
人口
2020 年、カマウ省の人口は 1,229,600人で、ベトナムでは 26 位、メコンデルタ地域では 9 位である。
労働資源と平均給与
国勢調査の結果(2019年)によると、カマウ省は「黄金」人口構造を持っており、15歳~64歳の人口の割合が68.78%を占め、15歳未満と65歳以上の人口の割合が23.45% と 7.7% となる。そのため、カマウ省は労働年齢の人口が扶養家族人口の2倍である「黄金」人口構造となっている。
カマウ省の最低賃金は、市内 (地域 II)最高の地域で4,160,000 VND/月であり、より困難な地域(地域 IV)では3,250,000VND/月である。職業訓練を受けた労働者の平均給与は、月額約 300 米ドルである。
インフラ
カマウ省は、国内および海外の地域と接続する道路、鉄道、海路、空路を備えた便利な交通システムを持つ。
水路交通が特に発展しており、大きな川が多くあることはカマウの特徴でもある。1,886 本の河川・運河があり、全長は6千キロ近くである。カマウ市からは同省のすべての行政に行くことができる。カマウ空港があり、現在カマウ・ホーチミン市のルートが週に約8便運行している。社会経済開発のニーズを満たすためにさらに発展する可能性がある。
電力や水道システムなどのインフラは、投資・開発されている。電力を使用している世帯の割合は、同省の世帯総数の 97.5%である。郵便、電気通信ネットワーク、金融システムおよび銀行には、国内および国際取引のための最新サービスがある。
産業の強み
カマウ省は水産養殖・漁業に強みがあり、養殖面積は30万ヘクタールを超え、そのうちエビ養殖面積はベトナムのエビ養殖面積の41% を占めている。同省には特定のエビ養殖モデルもある。また、カマウ には、有機米栽培の広大な土地と、木材加工産業に便利な森林地域もある。
カマウ省は三方を海に囲まれており、再生可能エネルギー、物流、港湾産業が発展している。カマウ省は、1 つの経済地区と3 つの工業団地を開発した。特に、ナムカン経済地区は、多分野・多部門の経済地区であり、カマウ省とメコンデルタの国際貿易の窓口である。
工業団地名 | 面積 (ha) | 主な産業 |
カンナン工業団地 | 235,86 | 農林水産加工業、林業、木材製造業 |
ホアチュン工業団地 | 327,13 | 農林水産加工業、サービス業、漁業 |
ソンドック工業団地 | 1.455 | 農林水産加工業、漁業、サービス業、倉庫業、輸送用機械器具製造業. |
ナムカン経済ソーン | 11.000 | 漁業、輸送用機械器具製造業、サービス業 |
カマウ省の経済発展状況
本章では、カマウ省の経済を解説する。
経済成長
カマウは、ベトナムの 4 つの重要な漁場の1 つであり、海洋経済の発展、水産養殖、エコツーリズム発展の可能性がある。特に海洋経済は主要産業であり、同省の年間平均漁獲量は約20万トンで、総GRDPの約55%を占めている。
農林水産業と食品加工業がカマウ省の経済の大きな割合を占めている。カマウは、ベトナムトップの水産加工工場とエビの輸出高を有する。産業は年平均4%で成長している。
カマウは、メコン・デルタ地帯の 3 つの主要な電力・エネルギーの中心地の 1 つである。 2021 年末時点、同省には合計容量700 MWの風力発電の案件が12件と、合計容量 2,846 MWの太陽光発電の案件が9件ある。その中で、3件のプロジェクトが合計容量100 MWで運営されている。
企業数
2021 年末時点、カマウ省の企業総数は 3,659 社に達し、省内で新たに設立された企業数は 474 社になった。2021 年、カマウ省は 37件の投資プロジェクトを誘致し、登録資本金は 12.8 兆 VND を超えた。2022 年 7 月末時点、同省には合計 433件の投資案件があり、登録された投資資本の合計は約141 兆 860 億 VND に達した。そのうち FDIは10 件で、登録された投資資本の合計は 1 億 5,680 万米ドルである。水産養殖・加工、クリーンエネルギー、木材加工、エコツーリズムなどの分野に焦点を当てた大規模な投資資本を持つ多くのプロジェクトが集まっている。水産物輸出額は10 億米ドルを超えている。
投資誘致のプロジェクト
農林漁業と再生可能エネルギーの強みに加えて、カマウ省は港湾産業、海運サービス、エコツーリズムの発展という利点も持っている。
カマウ省における日本企業の投資状況
2021年末時点、カマウ省では日本からの投資プロジェクトはほとんどない。主に農産物と水産物を日本に輸出するため、これらの加工と輸出を行うベトナム大企業を通じて投資されている。現在、同省は日本の投資家に対し、高度技術を応用した農産物加工(有機米)、有機エビ養殖、野菜加工、人材提供などの分野への投資を呼びかけている。
関連情報
- カマウ省投資促進・事業支援センター
サイト: https://ipec.com.vn/
住所: 2号、Hung Vuong 通り、5区、カマウ市
【関連記事】ベトナムの他の省については、以下をご覧ください。
ベトナム市場の情報収集を支援します
ベトナム市場での情報収集にお困りの方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。
VietBizは日本企業の海外事業・ベトナム事業担当者向けに市場調査、現地パートナー探索、ビジネスマッチング、販路開拓、M&A・合弁支援サービスを提供しています。
ベトナム特化の経営コンサルティング会社、ONE-VALUE株式会社はベトナム事業に関するご相談を随時無料でこちらから受け付けております。