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【徹底解説】オフショア開発のベンダー選定:4つのポイント

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現在、日本向けのシステム、アプリ等の開発やウェブページ制作等の委託先としてベトナムが非常に注目を集めている。しかし、日本のベンダーに発注する場合とベトナムのベンダーに発注する場合では、発注の方法や流れなどに違いがある。また、発注の前にしっかり、そのベンダーが本当に優秀なのかを見極める必要がある。

 今回の記事ではベトナムのITベンダーに開発、デザイン等を依頼する際に直面しがちなトラブルと、それらを回避・解決するための4つのポイントについて解説していきたい。

必ず事前打ち合わせを行い、定性的にベンダー側の担当者を評価する

 通常、新規に発注するベンダーを選定する際にはまずはベンダーのスキルシートと提案書を確認し、その後発注前の打ち合わせ(MTG)を行ってから、最終的に発注する相手を決めるのが通常だ。しかしベトナムのベンダーを選定する際には、やり取りが少々面倒くさいという理由から詳細なMTGをせずに発注を決めてしまうケースも多い。

 しかし実際に担当者とMTGをせずにベンダーを選ぶということは、内見をせずにマンションを購入してしまうのと同様に危険である。必ずベンダー側の担当者とMTGをして、ベンダーのスキルだけでなく相手の熱意、信頼性、言語能力、実施体制、これまでの実績の詳細を定性的に評価する必要がある。

 特に留意すべきなのはベンダー側の窓口となる担当者個人のスキルである。日本語でやり取りを行う場合であれば、ブリッジエンジニアが発注者との窓口となる。開発が上手く進むかはこのブリッジエンジニアのスキルに大きく依存している。なぜならこのブリッジエンジニアは発注者の要望をかみ砕いて要件定義を行い、それを抜け漏れなくベトナム側の技術者に伝えるという重要な役割を担うからである。

 またこのブリッジエンジニアがスケジュール管理や品質保証の責任を負うプロジェクトマネージャ(PM)である場合も多い。ほとんどの場合は知識・経験も豊富な優秀な人材がブリッジエンジニアとしてアサインされるが、中にはブリッジエンジニアとは名ばかりで実際には通訳の役目しか果たしていないケースもある。

 そのため、MTGを行う場合は、開発の専門的な内容に関する質問や、スケジュール管理や品質保証をどのように行うのか等の高度な質問をぶつけて、それに対する回答が十分であるかを見極める必要がある。

作業に着手する前に、業務の範囲・内容を細かく確認する

 ベトナムのITベンダーに限った話ではないが、実際に作業を始めてから、委託する作業の内容・範囲についての認識がお互いに食い違っていたというトラブルはよく発生する。

 どのような案件であっても、まずは最終的なアウトプットの形の確定(企画)、詳細な要件の定義(設計)、各機能の導入(実装)そして各機能やシステムが正常に機能するかどうかの試験(テスト)という段階で開発が進んでいく。その中で、どこまでをベンダーが担当し、どこまでを発注者側が担当するのかを細かい内容まできちんと詰めておく必要がある。

 基本的にベンダー側は業務にかかる工数で受注金額を見積もるため、あとから発注者側から「これもやって欲しい」という要望が出ると、全体の金額が予定より大幅にオーバーしてしまったり、調整に時間を取られてスケジュールが狂ってしまったりという大きなトラブルを招くことになる。

 さらにベトナムのITベンダーに特に気を付けるべきなのは「この作業は当然やってくれるだろう」という「暗黙の了解」という思い込みを捨てることである。日本とベトナムではビジネスの流れも大きく異なるため、日本のベンダーに依頼する場合であれば当然理解している内容もベトナムのベンダーは理解していない場合が多い。そのため、「この作業は貴社が担当するという理解でよろしいですね」という念入りな確認作業を怠ってはいけない。

しつこいぐらい頻繁に進捗を確認する

 どのような開発案件であっても、必ず納期というものがあり、そこから逆算したスケジュールを基に作業を進めていく。ベトナム側のベンダーに対しては、スケジュール通り作業が進行しているかどうかを日本のベンダーに対する以上に頻繁に確認した方がよい。ベトナム側のベンダーが日本と同じようにスケジュール管理を徹底しているとは限らないためである。

 筆者の感覚では、最低でも週に1回以上は定例の打ち合わせを行い、どこまで作業が完了しているか、成果物を見せてもいらいながら確認する必要があるだろう。また確認を頻繁に行うことで、認識違いがあった際の修正も行いやすくなる。理想としては3日に1回程度、ベンダー側と打ち合わせを行うのがよいだろう。

別々のベンダーに分けて発注するのではなく、一括で1つのベンダーに発注する

 主にコスト削減を目的に、1つの開発案件を細かく分割して、複数のベンダーに発注するケースが見受けられる。案件の規模や期間にもよるが、基本的に案件を切り分けて別々に発注するのはおススメしない。

 なぜなら、同じ説明や確認作業を何度も繰り返すことになり、発注者側の労力・時間のコストがかえって増えてしまう結果になることがほとんどだからである。また各ベンダーによって案件の進め方やルールも異なるため、それらを最終的にまとめるのは非常に複雑な作業になってしまう。

 もし長期的に複数の案件を発注する予定があるなら、最初に幅広い案件に対応できるスキルをもつ、信頼できるベンダーを選定し、そのベンダーに対して長期的に発注していく形がよいだろう。案件を複数こなしていくうちに、お互いの仕事の進め方を理解しあい、より効率的に開発を進めていくようになるはずである。

まとめ

 今回のレポートでは、ベトナムITベンダーと開発案件を進める際の4つのポイントを解説してきた。ここで挙げたポイントは、日本のベンダーに発注をする場合でも同様に気を付けるべきポイントであるが、ビジネスの進め方が違うベトナムの企業と仕事を進める上では上記の4点が最も重要である。

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